博士の愛した数式

No79 「博士の愛した数式」 小川洋子(2003年8月 新潮社)

著者は91年「妊娠カレンダー」で第104回芥川賞を受賞。

家政婦の主人公と脳に損傷を負い、記憶が80分しか持たなくなってしまった老数学者「博士」、主人公の10歳の息子「ルート」の物語。
「博士」と主人公、「ルート」は数字を使って交流を深めていく。それは無味乾燥なものではなく、むしろ人間味にあふれている。
たとえば、主人公の誕生日2月20日(220)と、「博士」の時計に刻まれた「284」は、その約数を足し合わせると互いの数字になるという
友愛数」であり、見えない絆で結ばれているといった具合に…

「ルート」が「博士」に対して主人公以上に大人の振る舞いをしている様子が印象的だった。

博士の愛した数式

博士の愛した数式