拒否できない日本

No.94 「拒否できない日本―アメリカの日本改造が進んでいる」関岡英之(2004年4月 文春新書)

筆者は、慶應義塾大学法学部卒業後、東京銀行勤務を経て、早稲田大学大学院理工学研究科修了。『なんじ自身のために泣け』で第七回蓮如賞受賞。
本書では、アメリカの日本に対する公文書である『年次改革要望書』を主な手がかりとして、アメリカが日本を自国の都合のよいように改造している様を論じる。

本書は5章構成で、
①北京・シカゴ枢軸の怪
②対日圧力の不可解なメカニズム
③この世はアングロ・サクソンの楽園
④万人が訴訟する社会へ

日本政府が行っている数々の政策が、かくもアメリカの都合のよいように作られているのか、と恐ろしくなった。
徐々に日本のシステム、ルールが作り変えられている。
日本はルールの中でうまくやろうとすることはよくやるが、ルールを変えていくということは、オリンピックでも同様だった。

アメリカが「正義」を口にしながらも、自国利益だけを考え、フェアに動いていないことは自明。
日本はいつまでもアメリカ追従ではなく、アジアでリーダーシップをとり、アメリカやEUに対抗できるネットワークを構築する努力をすべきだと思う。

拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる (文春新書)

拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる (文春新書)