ザ・プロフィット

No.101 「ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか」エイドリアン・スライウォツキー(2002年12月 ダイヤモンド社

筆者はマーサー・マネジメント・コンサルティングバイス・プレジデントおよびボードメンバー。ハーバード大学を卒業後、同校のロースクールビジネススクール修士号取得。99年には「インダストリー・ウィーク」誌において、ドラッカー、ポーター、ゲイツウェルチ、グローブとともに「経営に関する世界の六賢人」に選ばれた。
本書では、小説形式で23の利益モデルを説明している。

本書は23章構成で、
①顧客を知ることが利益のはじまり―顧客ソリューション利益モデル
ファイアウォールで利益を守れ―製品ピラミッド利益モデル
③同じ製品で異なるビジネスを―マルチコンポーネント利益モデル
④臨界点を目指せ―スイッチボード利益モデル
⑤粘り強さが生み出すスピード―時間利益モデル
⑥大ヒットを創造するマネジメント―ブロックバスター利益モデル
⑦一つの資産からさまざまな製品を―利益増殖モデル
⑧利益追求に邁進する情熱―起業家利益モデル
⑨すべてを知りつくすことの強み―スペシャリスト利益モデル
⑩売り手が主導権を握る―インストール・ベース利益モデル
⑪未来を計画できる立場をつかめ―デファクト・スタンダード利益モデル
⑫人間の心に潜む非合理性―ブランド利益モデル
⑬ニッチな市場を深く掘れ―専門品利益モデル
⑭点から面への拡大―ローカル・リーダーシップ利益モデル
⑮信頼関係がもたらす巨大なリターン―取引規模利益モデル
⑯コントロール・ポイントを制する―価値連鎖ポジション利益モデル
⑰わずかな価格差をめぐるゲーム―景気循環利益モデル
⑱フォローアップの潜在力―販売後利益モデル
⑲真っ先に波を乗り換えよ―新製品利益モデル
⑳ビジネスにおける重力の法則―相対的市場シェア利益モデル
21.学習の累積がもたらす知恵―経験曲線利益モデル
22.速く動くより、早く着手せよ―低コスト・ビジネスデザイン利益モデル
23.10倍の生産性を生む源―デジタル利益モデル

本書では、23の利益モデルを小説仕立てで紹介している。
各章では利益モデルに即した参考書籍の説明も加えられており、より深く学習する際の手がかりにできる。

利益モデルの仕組みや考え方が本書の話の骨格ではあるが、経営数値の扱い方(遊び方)や、プレゼンのコツなど、ところどころにビジネスで重要なエッセンスが交えられていて、参考になる。

ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか

ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか