会計力と戦略思考力

No.138 「ビジネススクールで身につける会計力と戦略思考力」
大津 広一(2007年8月 日経ビジネス人文庫

■著者紹介
株式会社オオツ・インターナショナル代表。慶應義塾大学理工学部卒業、米国ロ
チェスター大学にて経営学修士(MBA)取得。富士銀行、外資系証券、ベン
チャー企業経営を経て独立し、現在は経営コンサルティングに従事。これまで1
万人以上の社会人学生にアカウンティング(財務会計管理会計)、ファイナン
スを指導してきた。早稲田大学大学院商学研究科(ビジネススクール)、グロー
ビス・マネジメント・スクール、中央大学アカウンティングスクールにて講師を
務める。著書に『企業価値を創造する会計指標入門』がある。

■目次
はじめに
<第1部 会計力>
1章 損益計算書(PL)はマトリクスで読む
2章 貸借対照表(BS)を読み解く三つの基本法
3章 企業名のみから決算書を読み解く 仮説・検証のプロセス
4章 決算書の数値から企業活動を読み解く 仮説・検証のプロセス
<第2部 戦略思考力> 
5章 「5つの力」で競争環境を理解する<導入編>
6章 「5つの力」で業界の競争環境と会計数値を読み解く<応用編>
7章 バリューチェーン<導入編>
8章 バリューチェーンで競合二社の経営戦略を分析する
【付録1】分析の有効なツールとなる会計指標
【付録2】トヨタ自動車の連結決算書

■読書目的
会計の知識を踏まえて戦略的に考えられるようになるため

■本書の所感
PL、BS、5F、バリューチェーンを基本に、事例を踏まえて扱い方が説明されている。
対話形式なので、思考の手順であり、思考の手順がイメージできる形になっている。
各章の最後にはまとめがある。

■気づき、学び
「必要な知識をどう使いこなすか?」ということを勉強する上ではかなり良い本。
この本の内容を完璧にマスターすれば、自然と会計知識を踏まえた上での
戦略的思考力がつきそう。オススメ本。

戦略「脳」を鍛える

No.137「戦略「脳」を鍛える」御立尚資(2003年11月 東洋経済新報社

■著者紹介
ボストン・コンサルティング・グループヴァイスプレジデント。
京都大学文学部卒業。ハーバード大学経営学修士(MBA with High Distinction)。
日本航空株式会社を経て現在に至る。

■目次
第1章 インサイトが戦略に命を吹き込む(「ユニークさ」が勝てる戦略のカギ
戦略論プラスアルファを生み出す技=インサイト)
第2章 思考の「スピード」を上げる(論理的思考の積み上げは時間がかかる
スピードは「(パターン認識+グラフ発想)×シャドウボクシング」 ほか)
第3章 三種類のレンズで発想力を身につける(三種類のレンズで事象を見る
視野を広げる“拡散”レンズ ほか)
第4章 インサイトを生み出す「頭の使い方」を体験する(インサイトを構成する要素
インサイトを生み出す「頭の使い方」)
第5章 チーム力でインサイトを生み出す(異質の人材を組み合わせる
クリエイティビティを刺激する「雰囲気」と「ルール」)

■読書目的
戦略的思考力を鍛えるため

■本書の所感
ユニークな戦略を立てるために必要な要素を
「ユニークな戦略」=「定石」+「インサイト」、
インサイト」=「スピード」+「レンズ」、
「スピード」=(「パターン認識」+「グラフ発想」)×「シャドウボクシング」、
「レンズ」=「拡散レンズ」+「フォーカスレンズ」+「ヒネリレンズ」
因数分解し、それぞれについて説明している。

■気づき、学び
ある程度の解法のパターンを身につけ、それを効果的に組み合わせて発想することがユニークな戦略を立てる秘訣、
という点は受験数学のコツに近いと感じた。
「コンセプトワード」「レンズ」ということで具体的な問題解決の手がかりになる部分が記載されているのでとても参考になった。

戦略「脳」を鍛える

戦略「脳」を鍛える

仮説思考

No.137「仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法」内田和成(2006年3月 東洋経済新報社

■著者紹介
ボストンコンサルティンググループシニア・ヴァイス・プレジデント、ディレクター。
2000年6月から2004年12月まで日本代表を務める。東京大学工学部卒。慶應義塾大学経営学修士(MBA)。
日本航空株式会社を経て現在に至る。2006年4月より早稲田大学商学学術教授就任予定

■目次
序章 仮説思考とは何か
第1章 まず、仮説ありき
第2章 仮説を使う
第3章 仮説を立てる
第4章 仮説を検証する
第5章 仮説思考力を高める
終章 本書のまとめ

■読書目的
戦略的思考力を鍛えるため

■本書の所感
どのように「仮説思考」すればよいのかを事例を交えてまとめられている。

■気づき、学び
仮説から考えるということはどういうことかをよく理解できた。
この力を身につけるにはトレーニングしかないので、本書を参考にして磨いていきたい。

仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法

仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法

ビジネス力の磨き方

No.136「ビジネス力の磨き方」大前研一(2007年5月 PHPビジネス新書)

■著者紹介
世界的な経営コンサルタント

■目次
1.先見力を磨け
2.突破力を磨け
3.影響力を磨け
4.仕事力を磨け
5.人間力を磨け
終章.いまなぜビジネス力なのか

■読書目的
どんな能力が求められているかを確認するため。

■本書の所感
「はじめに」に書いているように本書の主題は従来はあまり取り上げることの少なかった仕事の
方向性の探り方、能率、スピード、効果、影響力、壁の破り方、人間性と合意の形成、などを取り上げている。
タイトルは「磨き方」のなっているが、ノウハウ本ではない。
ノウハウを知るのが目的なら他に詳しい本がたくさんあるのでそれを参考にしたほうがいい。
大前研一が本書に取り上げられている「力」をどうとらえていて、
それを磨くためにどうしているかを知ることが参考になる。
読みやすい。

■気づき、学び
大前本の他の著書にも同様のことは書かれているが、3章に述べられていた
基本的な思考の型を磨くために無限回のケーススタディを繰り返す、という点などが参考になった。
他にも、著書が考えている未来予測もところどころにあるので思考法の参考になる。
読み終えたら元気が出る。

ビジネス力の磨き方 (PHPビジネス新書)

ビジネス力の磨き方 (PHPビジネス新書)

究極のセールスレター

No.135 「究極のセールスレター シンプルだけど、一生役に立つ!お客様の心をわしづかみにするためのバイブル」
(2007年4月 東洋経済新報社

■著者紹介
米国のダイレクト・マーケティング界のグル。
約100の企業とコンサルタント契約を結んでいる。また、セールス、マーケティング
自己啓発を中心に年間10万人以上を対象とする講演をこなし、著作活動でも多くの新聞・雑誌の激賞を得る
ヒット作を数々放ってきた。ウェブ・サイト「ダン・ケネディ・コム」は月10万を超えるアクセスを誇る。

■目次
第1章 書く前の準備
第2章 書く手順
 ステップ1 お客を「しっかり」理解する
 ステップ2 提供するものを「しっかり」理解する 
 ステップ3 不利な点を告白し、欠点は包み隠さず伝える 
 ステップ4 無事に配達させる
 ステップ5 目を留めてもらう
 ステップ6 読んでもらう
 ステップ7 価格ジレンマに打ち勝つ
 ステップ8 必勝コピーライティングのテクニックと作戦を吟味する
 ステップ9 最初の下書きを書く
 ステップ10 戦略的観点で書き直す
 ステップ11 文体を書き直す
 ステップ12 疑問・反論に答える
 ステップ13 いますぐ行動してもらうよう刺激する
 ステップ14 追伸を工夫する
 ステップ15 チェックリストを確認する
 ステップ16 グラフィック処理をする
 ステップ17 感情を込めて書き直し、冷静に編集する!
 ステップ18 下書きとサンプルを見比べる
 ステップ19 事前テストを行なう
 ステップ20 手紙を最終の形にする
 ステップ21 グラフィック処理を変更する
 ステップ22 もう一度編集する
 ステップ23 試作を発送する
 ステップ24 冷静になる
 ステップ25 他の人の意見を聞く
 ステップ26 最終見直しをする
 ステップ27 印刷する
 ステップ28 発送する!
第3章 一番用途が広いセールスツール
第4章 百万ドルの秘訣−−「連続」「繰り返し」の効力
第5章 「ハイテク」セールスレター

■読書目的
何を伝えるのか、はマーケティングの重要な要素のひとつであり、それを学ぶため

■本書の所感
第2章が中心であり、ステップ28まであって一見、まとまっていないようにも思うが、
内容はしっかりしている。アメリカのものだが、具体的な事例が多数掲載されており参考にしやすい。

■気づき、学び
具体的な、すぐにでも役立つ方法論が掲載されており、とても役立つ。
仕事でDM制作をしていたこともあるが、そのとき先輩に教わったエッセンスも
より汎用性のある形でまとめられている。
今でも、顧客に対してメールなどでメッセージを送ることがあるが、
すぐに使えそうだ。
実践で使うために早速、本書の要諦をシートに作り変えた。

究極のセールスレター シンプルだけど、一生役に立つ!お客様の心をわしづかみにするためのバイブル

究極のセールスレター シンプルだけど、一生役に立つ!お客様の心をわしづかみにするためのバイブル

PLANNING HACKS!

No.134 「PLANNING HACKS!」原尻 淳一(2007年5月 東洋経済新報社

■著者紹介
大手広告代理店勤務後、現在、エイベックス・エンタテイメント株式会社ブランドマネジメント部
マーケティングルーム課長。ISIS編集学校師範代

■目次
CHAPTER1  企画システムハック 変数と代入式
CHAPTER2  アイデア発想ハック 量と質
CHAPTER3  プランニング・ハック 失敗と本質
CHAPTER4  プロジェクト・ハック コミュニケーションとモチベーション
CHAPTER5  プレゼン・ハック 離見と保険
CHAPTER6  実践編コンセプト・ハック 文脈と応用
おわりに  経験の弟子

■読書目的
成功に近づける行動のヒントを得るため

■本書の所感
最初に本書の概念図が示されており、わかりやすくする工夫がされている。
企画作りの秘密を83個のハック(具体的な行動)として紹介している。
企画のコツはアウトプットを生み出すシステムと、二段階の発想法だとしている。

■気づき、学び
83個のハックすべてが使えるわけではないが、いくつかは自分でも利用したいと思えるものがあった。
だが、全体を貫いているアウトプット思考と拡散→収束のコンセプトは大切なので、
意識的に日々の行動に取り入れたい。
ハック35の「ネッティング」は興味を引かれたハックのひとつだが、説明があっさりしているのが残念。

PLANNING HACKS!

PLANNING HACKS!