なぜかわたしがアメリカで英語教師/アジア英語教育最前線/甘えと教育

No.24 「なぜかわたしがアメリカで英語教師」 ターナー・裕子(2001年7月 はまの出版)

ドイツの軍人と結婚して外国に住んだものはいいけれど、
軍人は給料が少ないので自分も働かなきゃならん。
修士号を持ってるから教師をやろうと思って実際に
アメリカで英語(アメリカだから国語)教師をしている人の体験記。
アメリカの学校は日本に比べるとずっと荒廃しており、
仕事も大変だという内容。
アメリカの学校は生徒に対する管理が厳しく、
成績を3週間ごとに親に報告するという。

なんとなくアメリカの学校(高校)のイメージができたかな。

No.25 「アジア英語教育最前線」 河添恵子(2005年4月 三修社

中国、韓国、台湾、インド、シンガポール、…といった
アジア圏の英語教育に関して広く説明されていた。
中国や韓国などは詳しくてよかったが、インドがもう少し詳しかったらよかったと思う。
だが、網羅性があるので適宜、参照するにはもってこいだ。

全体の印象としては、アジア圏の国々はどこも英語の重要性を認識しており、
英語教育に力を入れていることがわかった。
また、中国や韓国では、成功の要因として学歴と英語力を重視しているらしい。
また、英語教育と同じようにどこの国もITに力を入れていることがわかった。

日本でも、英語などに力を入れ始めており、
スーパーランゲージハイスクールやスーパーサイエンスハイスクールがある。
このような教育を受けた人材に対して、古い教育を受けた人間はかなわないかもしれない。

あと、公文(KUMON)式メソッドが世界でかなり認知されているらしい。

アジア英語教育最前線―遅れる日本?進むアジア!

アジア英語教育最前線―遅れる日本?進むアジア!

No.26 「甘えと教育と日本文化」 土居健郎・キャサリンルイス・須賀由紀子・松田義幸(2005年7月 PHP研究所)

キャサリンルイスは「Teaching Gap」執筆者の一人。
アメリカ的な視点から日本の教育を論じている。
日本の教育のアメリカの教育に対して優れている点は、
内発的な動機付けによる、全人格的な指導をメインとしており、
児童に自主的に協力しているということ。
また、日本の文化として、反省をしたり、気配りをする点がすばらしいし、
教育にも反映されているという。

また、少人数学級にすることは、必ずしもよいことではないということだった。
理由は、30人から40人の授業でしか生み出せない価値があるから。

エンゼル叢書 (8) 甘えと教育と日本文化

エンゼル叢書 (8) 甘えと教育と日本文化

No.27 「ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か」 エリヤフ・ゴールドラット(2001年5月 ダイヤモンド社

小説型のビジネス書。
小説に関しては速読のテクニックが使いにくいので、時間が予想外にかかった。
合計で6時間くらいか。
だが、内容が面白く、夢中になって読めた。

著書はイスラエルの物理学者。日本語版の出版は長い間見送られてきた。
理由は、部分最適に対して天才的な日本人に、この本で提唱している全体最適のコンセプトを広めてしまったら、
日本が強くなりすぎて貿易摩擦が起こるから、ということ。
昔の日本はそれほど恐れられていたんだなあ。

内容は、工場におけるTOC(Theory of Constraints:制約条件の理論)についてが中心。
工場において、生産性を決定付ける工程はボトルネックといい、
ここのスループットを高めることが至上命題となる。
要は、全体最適のコンセプトを念頭に置いた上で、
日本人お得意のカイゼンをこなすことが会社の究極の目的である金儲けに近づけるということ。

この理論は、工場の生産性を上げるためにゴールドラット博士が考えたコンセプトだが、
マネジメントなどの分野にも応用できる、拡張可能なコンセプトだという。
理由は、カイゼンすべきポイントは表面的な事柄や物理的な事柄ではなくて、
もっと根本的な部分にあるポリシーだからだ。

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か