インターネットは「僕ら」を幸せにしたか?/「心理戦」で絶対に負け

No.73 「インターネットは「僕ら」を幸せにしたか? 情報化社会がもたらした「リスクヘッジ社会」の行方」 森健(2005年9月 アスペクト

著書は日本でインターネットが普及したあたりから、10年以上インターネットのことを取材し続けているジャーナリスト。
ほかにも、人体などの科学的な内容から、経済誌への執筆など、幅広く手がけている。

わずか10年で急速に広まっているインターネット。それには多くの利益がある一方で、不利益や漠然とした違和感を覚える。
そんな情報化社会になんらかの示唆を与えるということがテーマ。

3部・9章構成となっており、
第1部 ネットワークが自由意志を統御する
①メールは便利なだけのツールなのか?
②グーグル(Google)の功罪
③ブログはジャーナリズムを「殺す」のか?
④ウェブの進化が民主主義を衰退させる
第2部 ユビキタス社会は誰のためのものか?
⑤ICタグが拓く未来
⑥プライバシーのスキミング
第3部 ネットワークに組み込まれる現実社会
⑦社員の自由を奪う管理システム
⑧安全と監視のトレードオフ
バイオメトリクスで全国民を特定せよ

第1部は実感のある話なので、共感して読んだが、
第2部、第3部はICタグがキーポイントとなって今後のユビキタス社会が広がっていくことを実感した。

自分にとっての情報化社会というと、
ケータイでのメールコミュニケーション、グーグルやヤフーでの情報検索、ブログにこうやって書評を書くことやSNS…
2000年に大学に入学してからケータイやPCを使い始めてからその恩恵を享受しており、いまや、それなしでは十分な生活が営めないくらいになっている。
便利だとかそうでないとかではなく当たり前のものとして据えている。
また、ジェネレーションギャップの大きな分野であり、
大学から使用している私の世代と、ものごころついたときから使っている小学生とでは感覚がまったくことなっていることに驚く。
また、会社でもICタグ入りの社員証になってからは、監視されている実感があって、気味悪い社会だと感じる。

No.74 「「心理戦」で絶対に負けない本 実戦編」 伊東明/内藤誼人(2000年9月 アスペクト

題名からもわかるとおり、前回よりも実践的な色を強めた内容となっている。
最終章にある各章のまとめが非常に便利だ。

最終章を含めて8章構成であり、
①すべては「心」に目を向けることから始まる
②「心の力学」を武器にする
③「天の時、地の利」を武器にする
④「表情・声」を武器にする
⑤「資料・データ」を武器にする
⑥「逆転の発想」を武器にする
⑦「ボディ・ランゲージ」を武器にする
⑧武器としての心理法則

少しずつ試していって、徐々に自分の体になじませていきたい。
現在でも、割と心理法則が体になじんできているので、自分の感情をメタ認知したり、他人の状態把握も上達してきているように実感している。
仕事では編集のほかにマーケティングや調査の担当もしているので、
直近の目標としては、第5章の「資料・データ」を武器にするの内容を体になじませていくこと。
次回の調査報告では、分割法や統合法、データの強さによる順序カエなどを取り入れてみようかな。

No.75 「口コミ伝染病 お客がお客を連れてくる実戦プログラム」 神田昌典(2001年3月 フォレスト出版

著書は、私の尊敬する実戦マーケッター。

口コミをどのようにコントロールし、会社の売り上げを上げるのかということをテーマとしている。
いつもどおりの実践的な内容になっており、「使える」。

5章構成であり、
①井戸が枯れる前に水を汲め!
②「口コミ五つの常識」を大研究する!
③お客がしゃべりたくなる会社、無視する会社
④あなたの会社で、口コミをコントロールするには
⑤口コミを伝染させ、売り上げアップも同時に実現する5ステップ・プログラム

口コミをしやすいお客さんはどのように口コミをしているのか、
どのようにして、その人の口コミ行動を助けるとよいのか、
どのように口コミ行動を仕組み化すべきなのか、を考えることが口コミマーケティングを成功させる上でのキーポイントとなるという。
具体的な着目点やステップは本書の示されている。

どのようにしてより多くの読者を獲得すべきか?という業務上の課題を抱えており、
口コミを切り口としてやっていこうと考え、本書を読んだのだが、相当役に立っている。
特に、お客がどのような口コミをしているのか?を考えるという視点や、
実務上はどのようにすべきなのかの具体的な5ステップが活用できている。
同様の業務上の課題を抱えている人にはかなりおすすめの一冊。

口コミ伝染病―お客がお客を連れてくる実践プログラム

口コミ伝染病―お客がお客を連れてくる実践プログラム